光学迷彩服の男



俺は、光学迷彩服を着ている。

だから誰にも姿が見えない。

学校や会社に行っても、繁華街を歩いても、

俺の姿は誰にも見えない。

ホームページを作っても、出会い系サイトに登録しても

俺の存在は無視される。

だから男を殴り、女を犯し、凶悪犯罪に手を染める。

これで、やっと俺が此処に居ることに気付いてもらえる。

あんな大悪人、見たこともないと思ってもらえる。

俺は、存在するのだ。生きているのだ。

悲しい存在証明。

それでも無視されるよりは良い。


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