幻 LOVER



恋人は、突然現れた。

まるで前世からの約束のように。

お互いの過去も距離も飛び越えて、

時間を惜しんで逢瀬を重ねた。

それが、当然だと思っていた。

永遠に別離は、来ないと思っていた。

でも、簡単に別れた。

何度会っても会い足りないくらい、

何度抱いても抱き足りないくらい好きだったのに、

恋人は、僕の左側から消えた。

僕の心の半分をえぐり取って、

幻のように消えた。



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