賣笑エクスタシー


2002年2月23日(日)、
椎名林檎のネット中継コンサート「賣笑エクスタシー」に当選して
神戸チキンジョージに行った。
16時45分から整理券の番号順に並ぶことになっていたので10分前に到着すると
既に寒い中、何人も並んでいた。
係員は、「並んでいる人に番号を聞いて、各自並んで下さい!」と叫んでいる。
僕は、307番だったのだが、なかなか若人達に番号を尋ねることが出来ないのだ。
「あの〜、307なんですけど・・・。」と恐る恐る声を出し、怪訝な顔をされながら小さくなって
列に入る。
後から、「あの〜、私、306なんですけどぉ。」とカワイコちゃんが来た。
「あっ!僕、307です!」と声を出し、カワイコちゃんは、僕の前に並んだ。
17時開場ということだが、なかなか入らせてもらえない。
寒い中、皆、無言で並んでいる。
と言うのも、チケットは、一人一枚、つまり、友達と来ているわけではないのだ。
人は、続々、集まってくる。
「500番より後は、こっちに来て下さい!」という声が遠くで聞こえた。

ゆっくりゆっくり入場が始まり、中に入ると、狭い!暗い!
前に大きなスクリーンがあり、前に歩いて数歩のスペースが有るだけ。
そこのホールに500人以上の人が入るのだ。
おまけに立ち見。
係員が「もっと前に詰めて下さい!」と叫ぶ。
まさに満員電車の寿司詰め状態。
306番のカワイコちゃんを捜すが、姿が見えない。
整理券の番号は入場する順番で、見る場所は何処でも良かったのだ。
立ち位置が定着して、気が付くと、前後左右、若い女の子に挟まれていた。
やたらと女の子が多いのだ。
ちょいラッキー♪

18時開演の予定なのに、なかなか始まらない。
女の子同志は、すぐ打ち解けて、林檎ちゃん談義に花を咲かせている。
それでも大抵の人は、身じろぎもせずに無言で暗いスクリーンを見つめている。
スピーカーからは、聴いたこともないインディーズバンドの音楽が流されている。
せめて林檎ちゃんの曲を流せば良いものを。

18時15分ぐらいに突然、スクリーンに林檎ちゃんのCDのCMフィルムが映され
やっとこさコンサートが中継された。
林檎ちゃんは、管弦楽団をバックにドレス姿でゴージャスに歌う。
コンサート開場の熱気も伝わってくる。
でも、こちとら、映像なのよ。
身動き出来なくて、拍手すら出来ず。
うっかり動いたら、女の子に手が当たり、痴漢呼ばわりされるのよ。

まさに冷静と情熱の間というが如しの「賣笑エクスタシー」は、19時過ぎに終演。
最後に、このコンサートは、5月にDVDで発売されるというお知らせが出た。
当選してなくても見れるのか!
長時間、寒い中、並ばなくても家で見れるのか!
嬉しいような悲しいような、妙な感情に包まれながら、僕は、チキンジョージを後にしたのだった。



もどる

inserted by FC2 system