典江ちゃんデビュー



1990年暮れ、本屋で毎月買っているアイドル雑誌「ORE」を買う。
また今年もミス・マガジンの投票が始まった。
可愛い女の子が何人も立候補していた。
その中の1人、車の横でスーツ姿で映っている細川典江という女の子が可愛かった。
早速、付属のアンケートハガキにその子の名前を書き投票する。
するとやっぱり、その典江ちゃんがミス・マガジンに選ばれた。
僕は、例によってファンレターを速攻で書いて送った。
すると手書きの返事が届いた。
小さな几帳面そうな文字が並んでいた。


拝啓
お手紙、有難う。○○さんからのお手紙は、私に届いた初めてのお便りで、
本当に嬉しかったです。今日、(12/12)、12月15日から1月14日まで
OREのテレフォン・サービスに流す私の声を録音しに、OREの編集部に行ったんですよ。
そしたら編集長にお手紙を手渡され、中を読んで又感激しました。
自信を持たなくちゃ、と思ったり、自己嫌悪に陥ったり、そんな心の中で、
勇気というか元気が出るような気がしました。
今から内緒の話をします。12月27日発売のORE2月号に16頁載るんです。
サイパンでの撮影でした。16頁なんて!!夢みたいです。
今迄は、見てる方だったんですもん。
まだカメラを向けられると意識してしまって顔を「記念写真」!のようにしてしまいそうになります。
そうでなければカタクなってしまうか・・・。
徐々にでも、自然ないつもの私をカメラに向けて、(それを見て応援してくれる方に向かって)
出来ればいいなって思います。
又、是非お手紙下さいね。お仕事の方もお互いに頑張りましょう。
今夜は初めてのお便りが嬉しくて興奮してまだ眠れそうにありません。
                                          敬具

                        90.12.12  細川典江  23:45


12月23日、「ORE」のテレフォン・サービスで典江ちゃんの声を聴く。
初めて見たスーツ姿の印象が強いので、その可愛らしい声に驚く。

12月24日、典江ちゃんに年賀状を書く。
今度は「ORE編集部宛」ではなく所属事務所イエローキャブ宛に送る。

12月26日、「ORE2月号」を買う。
確かに典江ちゃんのグラビアが載っていた。
それも超ビキニで!!
服を着ていたら分からなかったが何というナイスバディ!強烈だった!

年が明けて1991年。
典江ちゃんから年賀状の返事は来なかったが1月17日に、また手紙を書いた。
典江という名前は、読めない人がいると思うので平仮名にする方が良いと書いた。
その返事も来なかった。

でも考えてみると返事が来なくて当たり前だった。
ビキニ姿のグラビアが載ってから典江ちゃんは、あれよあれよという間にビッグアイドルへと
成長を始めたのだ!

いつの間にか芸名も「細川ふみえ」に変わり写真集は出す、バラエティー番組やらVシネマに出る、
レコードも出す、「フーミン」の愛称でお茶の間の人気者になっていったのだ。

今もテレビでフーミンを見るたびに、僕は密かにほくそ笑むのだ。
「ファンレター第1号は、僕やで!」

フーミンからの手紙



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