宇宙の果て



ロボオは、惑星探索ロボットでした。
この辺境の星にロケットに乗せられ一人でやって来たのです。
ロボオの集めたデータは、地球に送られ、この星での任務も終わりました。
取り立てて資源になる物が無い事が分かったのです。
ロボオは、一人、宇宙の果ての何も無い星に捨てられたのです。

仕事が無くなったロボオは、毎日、ぼんやり過ごしました。
日が昇り、沈んで行く・・・。
何もない星で、独りぼっち。

ある夜、大きな流れ星が見えました。
続いて振動。
どうやら、この星に落ちたみたいです。
何もすることが無いので、ロボオは、星を探しに行きました。

煙の上がっている墜落現場には、隕石ではなく宇宙船の残骸が有りました。
その中に、壊れたロボット。

ロボオは、動かないロボットに話しかけました。
「キミは、何処から来たの?」
返事は、有りませんでした。
ロボオは、自分のロケットに壊れたロボットを運びました。

ロボオは、自分の身体を分解して、そのロボットに付けてゆきました。
「生き返ってくれよ。」
最後に自分の動力源を移しました。
ロボオは、死んでしまいました。

「あら?ワタシ、生きてる?」
ロボコは、生き返り、辺りを見回しました。
側に、壊れて動かないロボットが有りました。

ロボコは、このロボットが、なぜ自分の側に倒れているのか分かりませんでした。
ただ、心から思ったのです。
「私が生き返らせてあげたい。」

ロボコは、自分の部品を、そのロボットに付けてゆきました。
最後に動力源を二人で使えるようにしました。
ロボオは、生き返りました。

「あれ?ボクは、死んだはずだよ。」
不思議がるロボオに、ロボコが言いました。
「ワタシは、あなたに生きていて欲しいの。」

動力源が繋がったロボオとロボコは、いつも一緒です。
何もない宇宙の果てで、日が昇り、沈んで行くのを見ているだけです。

それだけで幸せでした。


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